忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

根古谷
暗闇の中を這いずる影に弓矢を射る。何本目か分からぬ矢は、皮の切れた指の血で滑り影を仕留める事はなかった。「一体何じゃ…射っても射ってもキリがないぜよ」呟いた声は震え、根古谷は泡だつ肌に寒さを覚える。(呑み込まれる)思った時には足元をすくわれ、影へと落ちた。跳ね上がるようにして飛び起き、根古谷は脂汗の浮かぶ額に手をやった。荒い呼吸が夢の中で聞いた音と重なり、慌てて首を振る。手繰り寄せた弓矢を掴む指先が小刻みに震えている。(嗚呼)握りしめ、根古谷は膝を抱えて目を閉じた。人里離れた森の奥で、今日も一匹の猫が鳴いている。
#学生戦争
PR
<<創作  | HOME |  貞と雪の話>>
ブログ内検索

Template By Emile*Emilie / Material by Auto-Alice
忍者ブログ [PR]