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創作
火星に住むビルは300年前の地球との戦争の遺産を掘り起こして生計を立てている早撃ちガンマン。ある日遺跡の中で一人の子供と出会う。子供はビルの腰につけたホルスターを握りしめ「僕のはどこ?」と繰り返し聞いてくる。ガンショップに連れて行ったビルだったが、子供は撃ち方を説明している店主を撃ち抜いてしまう。ビルは子供を抱えて店を飛び出すが、子供は無表情のまま。落ち着くために馴染みの酒場へ行くと「ビル、腰につけてるのはご自慢のホルスターか?それとも子種か?」とからかわれてしまう。「バカ言え!俺のは永遠に彼女のものだ」とビルが指差したのは店に貼られた金星のモデル:ヴィーナスのポスター。誰もが恋人にしたい極上の女性。火星には感染症があり、火星生まれの人間でないと感染し、最悪の場合は死んでしまう。具合が悪そうな子供を医者のところへ連れて行ったビルだったが、そこで「この子供は本物の火星人だ」と言われてしまう。火星への移住は350年前で、純火星人は存在しない。「なんだって?」「血は青かった!何て言葉があるか?この子供の血は青だ。少なくとも現人類とは別の生き物だ。水銀値が高いな…生物かどうかも怪しいもんだ!さあさ出て行きなここは人間の医者だ」と言われるビル。病院を追い出され途方にくれるビルを見上げる子供。子供を「ガン」と名付けたビルは、保安官の元に出向きヒントを得る。「300年前の戦争ではアンドロイドも多く生産された。人間の肉体を強化した人造人間もいたというから、この子供はそうかもしれない」しかし火星に知能はなく、地球に行かなければ真実は分からない。「乗りかけた船だしょうがない」と諦めのついたビルは、ガンを地球に連れて行くことを決める。火星から地球への移動は原則禁止されており、迂回ルートを通らなければならない。ガンを金の卵かダイヤの原石と信じ、仲間と共に行くことを決めるビル。「いるんだろローズ開けろ!」開かれた扉の中には赤毛の美しい女性。しかしガンは「男」と一言。途端に顔をしかめ低い声であ?というローズ。ローズは男だがその美貌から女装をして客をとっているビルの仲間。「アタシに靡かなかった玉なしビルの隠し子?」とここでもからかわれる。ローズは女装しているためビルは勝手にネコだと思っているがバリタチ。実はビルのことが好きだが仲間として親友としてそばにいると決めている。細身だが脱ぐと筋肉がついていて客に対しては外では女性を演じているがホテルの中では男前のS。もう一人の仲間はシモンズ。いかつい男で苦労人の警察官。保安官と共に火星の悪すぎる治安を改善しようとしているが、いい加減飽き飽きしており、ビルと共に小銭稼ぎで賞金稼ぎやトレジャーハンターをしている。ガンは火星と地球の戦争の時に作られた殺人マシーン。しかしビルたちと共に旅をする内にAIが感情を補完し、徐々に人間らしい表情や考え方をするようになる。ビルたちもまた地球に着いたら売り飛ばすつもりだったが、ガンに対して愛情が湧いてくる。
ビルは黒髪の中肉中背の男。髪型は気分によって変えるので長かったり短かったり。伸ばすと癖が出るので結んでる事が多い。胸と腰に拳銃を仕込んである。商売上スーツを着ているが面倒なのでそのままの格好で仕事もする。地球生まれ火星育ちのナンバリング保持者。ナンバリングとは地球生まれの人間に振られる個体識別番号。火星は無法地帯と化しているため、火星生まれの人間にはナンバーが存在しない。ナンバリング保持者で火星在住者は大抵が犯罪者など地球に住めなくなった人間だが、ビルの場合は特に理由はない。
ローズは赤毛のロングヘアをサイドアップにしている。細身の長身で美形。常にオシャレに気を配り外に出るときは女装をしている。ビルとの仕事はビルが嫌がるため男性の格好をしている。その際は後ろで結びパーカーにジーンズというラフな格好を好んでいる。
ビルは黒髪の中肉中背の男。髪型は気分によって変えるので長かったり短かったり。伸ばすと癖が出るので結んでる事が多い。胸と腰に拳銃を仕込んである。商売上スーツを着ているが面倒なのでそのままの格好で仕事もする。地球生まれ火星育ちのナンバリング保持者。ナンバリングとは地球生まれの人間に振られる個体識別番号。火星は無法地帯と化しているため、火星生まれの人間にはナンバーが存在しない。ナンバリング保持者で火星在住者は大抵が犯罪者など地球に住めなくなった人間だが、ビルの場合は特に理由はない。
ローズは赤毛のロングヘアをサイドアップにしている。細身の長身で美形。常にオシャレに気を配り外に出るときは女装をしている。ビルとの仕事はビルが嫌がるため男性の格好をしている。その際は後ろで結びパーカーにジーンズというラフな格好を好んでいる。
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根古谷
暗闇の中を這いずる影に弓矢を射る。何本目か分からぬ矢は、皮の切れた指の血で滑り影を仕留める事はなかった。「一体何じゃ…射っても射ってもキリがないぜよ」呟いた声は震え、根古谷は泡だつ肌に寒さを覚える。(呑み込まれる)思った時には足元をすくわれ、影へと落ちた。跳ね上がるようにして飛び起き、根古谷は脂汗の浮かぶ額に手をやった。荒い呼吸が夢の中で聞いた音と重なり、慌てて首を振る。手繰り寄せた弓矢を掴む指先が小刻みに震えている。(嗚呼)握りしめ、根古谷は膝を抱えて目を閉じた。人里離れた森の奥で、今日も一匹の猫が鳴いている。
#学生戦争
#学生戦争
貞と雪の話
暗殺部隊所属の貞は見た目が女性のようで、それを褒められもしたし揶揄もされてきた。そのせいか、男尊女卑の気があって、雪の事も「綺麗」だから興味がある。一方で雪は、自身の容姿に関して人目の方が気になっているし、戦時に参加している以上は強さを認められたい。
#学生戦争
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武藤家の話
武藤家の母親は後妻で黒髪。武藤家の子供達の面倒をよく見てきた物静かで後ろに控える妻。ただ、金髪の兄上や茜に見える前妻の面影が耐えきれず、武藤を養子にしたいと夫に申し出た。しかしあくまで武藤は養子であることを言い聞かせるため、愛情は多くは注がなかった。武藤に対しては優先度こそ低いものの不自由にない暮らしと生活と金を渡していた。たまに買い物に下女ではなく武藤を連れて行く事があった。
武藤は兄上の代わりに戦歴をあげる駒として武藤家の養子となった。兄上は父親の髪が黒いため黒髪に憧れを抱いている。そのため、後妻である母と父親との間に並ぶと自分よりも息子に見える武藤が気に食わなかった。
#学生戦争
武藤は兄上の代わりに戦歴をあげる駒として武藤家の養子となった。兄上は父親の髪が黒いため黒髪に憧れを抱いている。そのため、後妻である母と父親との間に並ぶと自分よりも息子に見える武藤が気に食わなかった。
#学生戦争
大和と武藤
「Trick or Treat」と言った大和の言葉の意味を事前に知っていたのか、武藤は微笑んで「菓子はないんだが…いたずらするか」と腕を広げて問い返した。これには大和の方が言葉に詰まり、参ったと言わんばかりに熱の浮いた顔を押さえると「していいのかよ」と珍しく弱々しく言った。
#学生戦争
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大和と武藤
「何か欲しいものはあるか」と聞いた武藤に、大和は口を閉ざした。この場合、"武藤から"欲しいものを考えるべきなのだろう。普段、武藤に関しては欲しいとも言わずに手を出すのが大和である。いざ聞かれてみても応えを持っていない事に、欲が無いほどに幸せなのだと思い知る。まあ、と一拍置いて、大和が「今日一緒にいれりゃいい」と言うと、武藤は可笑しそうに笑った。「なんだそれは、普段と変わらないじゃないか」つまりは、そういうことだ。
#学生戦争
#学生戦争
大和と武藤
武藤の好きな季節は春と秋だという。自身の生まれが、武藤が大切な者たちと死に別れた夏と冬では無かったことに、大和はホッとした。「おめでとう」思い出したように言った武藤に「おう」と応える。一歩近づいてもまた離れる差も気にならない年齢になってきた。それでも、祝いはお前がいいのだと、年下らしく強請ってみるのも良い。大和は秋の深まる空を見上げ、あと何度繰り返すか分からない祝いを想像し、笑んだ。「めでたいな」呟くと、自分で言うなと武藤が肘で小突くものだから、大和はそれがまた嬉しく、出会ってからの全てが祝いだと思った。
#学生戦争
#学生戦争
大和と武藤
頭が膨張するような感覚がして、視界が閉ざされていくような錯覚を覚える。身体の芯が冷えるのとは逆で、燃えるように熱を持っている。(暑い)俯きながら武藤は思った。機械的な指示だけで身体は動いている。手足を前に出せ、決して止まるな。意志だけが、武藤を動かしている。不意に男と目が合った。止まっては倒れると思った瞬間、男は武藤の頭から水をかけた。「目ぇ覚めたか」大和は乱暴に武藤の腕を掴み座らせると「暑さにやられて何ふらふらしてんだよ」と、些か怒気の混じった声で言った。見上げた男の顔に、ゆっくりと瞬きをする。(眩しい)と武藤は思った。
#学生戦争
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武藤
桜が空を埋め尽くすように咲く春も、蝉の鳴き声が響き渡り入道雲と伸びゆく葉が生い茂る夏も、燃えるように散る紅葉の秋も、静まり返り耐え忍ぶ雪に覆われた冬も、武藤は涙が出るほど好きだった。ただそれだけで良い。四季を感じ、大切な者と穏やかに過ごしたい。ただ、それだけで。
#学生戦争
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東郷と武藤
まとわりつく湿気に酸素を求めて息を吸えば、噎せ返るような腐敗臭にえずき、嗚咽が漏れ喉がせり上がった。横たわる肉と血と泥を無表情で見下ろす。武藤が今恐ろしいのは「虚無」だ。恐怖も悲しみも何も感じない事が恐ろしい。生理的な涙が零れ落ち、事実だけを受け止める心が泣いた。
#学生戦争
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